「若いうちは苦労して当たり前」「気合いで乗り切れ」「上司の背中を見て覚えろ」

こんな言葉を聞いたことはありませんか?

近年、「昭和型上司」という言葉を耳にする機会が増えました。SNSなどでは「うざい」「時代遅れ」と言われる場面も良く見ます。

私はコンサルタントとして働く中で、苦労も、気合で乗り切る経験も、何も教えてもらえず見様見真似で頑張る経験もしてきました。

その経験から感じるのは、昭和型上司には学ぶべき点もあれば、時代に合わせて変えるべき点もあるということです。昭和型の価値観のすべてが間違っているわけでもありません。

今回は、昭和型上司がうざいと言われる理由と、令和の時代に求められるリーダー像について考えてみます。

昭和型上司とは?

昭和型上司とは、昭和時代の価値観をベースに部下をマネジメントする上司のことです。

例えば次のような特徴があります。

  • 長時間労働を美徳とする
  • 精神論や根性論が多い
  • 上司の指示は絶対
  • 経験則を重視する
  • プライベートより仕事を優先する

こうした考え方は高度経済成長期の日本を支えてきた価値観でもあります。

昭和型上司がうざいと言われる理由

①価値観を押し付けてしまう

昭和型上司は、「自分も苦労してきた」という成功体験を持っています。

そのため、「自分ができたのだから、君もできるはずだ」という考え方になりやすい傾向があります。

しかし、時代も働き方も違います。昔は当たり前だったことが、今では当たり前ではありません。

②理由より根性を求める

現代の若手社員は、「なぜそれをやるのか」を理解してから行動したいと考える人が増えています。

一方で昭和型上司は、「まずやれ」「やれば分かる」と説明を省略してしまうことがあります。

もちろん、経験して初めて分かることもあります。しかし、納得感のない指示は部下のモチベーションを下げてしまいます。

③働き方の多様化に対応しづらい

昭和型上司は、毎日出社が当たり前。男性が外で働き、女性が家を守るといった家庭が多かったのでは事実です。

しかし、現在は、

  • リモートワーク
  • 副業
  • 育児との両立
  • ワークライフバランス

など、働き方が多様化し、取れる選択肢の種類も豊富になっています。

「仕事が最優先」としてマネジメントをすると、部下の取りたい選択肢との間にズレが生まれてしまいます。

私自身も「昭和型」の環境で成長した

ここまで読むと、昭和型上司は悪者に見えるかもしれません。

しかし、私は昭和型上司の働き方を全否定するつもりはありません。

実際、私自身もコンサルタントとして働く中で、苦労も、気合で乗り切る経験も、何も教えてもらえず見様見真似で頑張る経験もしてきました。

忙しい時期には朝から深夜まで働き、休日も仕事のことを考える毎日でした。今振り返ると健康的とは言えませんし、同じ働き方を誰かに勧めたいとも思いません。

それでも、その経験によって得られたものがあります。

例えば、

  • 責任感
  • やり切る力
  • プレッシャーへの耐性
  • 顧客視点

当時の上司たちも厳しかったですが、「何としてもお客様の期待に応えたい」という強い覚悟を持っていました。その姿勢から学んだことは今でも仕事に活きています。

しかし、私が成長できた理由は、昭和型の働き方そのものではありません。

本当に成長につながったのは、

  • 難しい仕事への挑戦
  • 高い期待をかけてもらえたこと
  • フィードバックを受けられたこと

つまり、成長の本質は「苦労したこと」ではなく、「挑戦できたこと」なのです。

にもかかわらず、「自分は終電まで働いた」「休日も勉強した」といった部分だけを部下に求めてしまうと、本質を見失ってしまいます。

令和に求められるリーダー像とは?

令和に求められるリーダーは、昭和型か令和型かの二択ではありません。両方の良い部分を取り入れたハイブリッド型だと思います。

昭和型から学ぶべきこと

  • 責任感
  • 当事者意識
  • やり切る力
  • 顧客志向

令和型から学ぶべきこと

  • 心理的安全性
  • 多様性の尊重
  • 対話によるマネジメント
  • 働きやすい環境づくり

 

重要なのは、「厳しさをなくすこと」ではなく、「成長できる環境をつくること」です。

部下を甘やかすことと、時代に合ったマネジメントをすることは全く違います。

若手リーダーこそ注意したいこと

これから管理職になる人ほど気を付けたいことがあります。

それは、「自分が受けた指導を、そのまま再現しないこと」です。

人は無意識のうちに、自分が育てられた方法で部下を育てようとします。

しかし、

  • 自分が怒られて成長した
  • 自分が残業して成長した
  • 自分が根性で乗り切った

という経験が、必ずしも部下に当てはまるとは限りません。

マネジメントで考えるべきなのは、「自分がどう育ったか」ではなく、「相手がどうすれば成長できるか」です。

まとめ

昭和型上司がうざいと言われるのは、価値観の押し付けや根性論が現代の働き方と合わなくなっているからです。

しかし一方で、

  • 責任感
  • やり切る力
  • 顧客へのコミットメント

など、今でも学ぶべき要素はたくさんあります。

昭和か令和かではなく、それぞれの良い部分を取り入れながら、部下が成長できる環境をつくる。それこそが、これからの時代に求められる理想のリーダー像ではないでしょうか。